「新NISAで毎月いくら積み立てれば、将来いくらになるの?」——投資を始めるときに誰もが気になるポイントです。この記事では、新NISAの生涯投資枠(1,800万円)を踏まえたうえで、年代別の現実的な積立プランと将来資産をシミュレーションします。複利の力で資産がどう育つのか、具体的な数字で見ていきましょう。
新NISAの仕組みは【旧NISA→新NISA】何が変わった?、枠の使い方はつみたて投資枠と成長投資枠の使い分けで解説しています。投資の始め方は証券口座で投資を始めるもあわせてご覧ください。
※本記事のシミュレーションは年利を一定と仮定した試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。実際の成績は変動します。
まず大前提:新NISAには「1,800万円の上限」がある
シミュレーションの前に、必ず押さえておきたいのが新NISAの投資上限です。
- 年間の上限:360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)
- 生涯の上限:1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円)
重要なのは、この1,800万円は「投資した元本(買った金額)」で計算されるという点です。値上がりした利益は枠を消費しません。たとえば1,800万円を積み立てて2,500万円に増えても、超過分を売る必要はなく、そのまま非課税で持ち続けられます。
つまり、新NISAでの積立は生涯で合計1,800万円まで。この枠をどのくらいのペースで埋め、その後どう育てるかが、資産形成のカギになります。
1,800万円の枠を埋めるには何年かかる?
毎月の積立額ごとに、1,800万円の枠を埋めきるまでの年数は次のとおりです。
- 月5万円(年60万円):30年
- 月10万円(年120万円):15年
- 月15万円(年180万円):10年
- 月30万円(年360万円・最速):5年
無理に最速で埋める必要はありません。大切なのは、自分の家計に合ったペースで、長く続けることです。
早く埋めるほど有利:埋めた後は「運用だけ」で増える
1,800万円を埋め終えても、そこで終わりではありません。むしろ、埋め終えた後の資産が運用だけでぐんぐん育っていくのが新NISAの真価です。65歳まで運用を続けた場合を比べてみましょう(年5%想定)。
- 30歳から月10万円:45歳で1,800万円に到達 → 65歳で約7,251万円(年3%なら約4,133万円)
- 25歳から月5万円:55歳で1,800万円に到達 → 65歳で約6,854万円(年3%なら約3,932万円)
注目したいのは、「30歳から月10万円」のほうが、25歳から始めた月5万円より最終額が大きい点です。早く枠を埋め終えるほど、その後の「運用だけの期間」が長くなり、複利がより強く効くためです。家計に余裕があるなら、積立額を上げて早めに枠を埋めるのも有力な戦略です。
現実的なモデル:年代に応じて積立額を増やす
実際には、同じ人が20代・30代・40代と年齢を重ね、収入も増えていきます。若いうちは少額から始め、収入が増えるにつれて積立額を上げて、いずれ1,800万円の枠を埋める——これが最も現実的なプランです。具体例を見てみましょう。
モデル①:20代からスタート(少額→増額)
- 25〜34歳:月3万円(10年で360万円)
- 35〜44歳:月5万円(10年で600万円)
- 45〜54歳:月7万円(10年で840万円)
これで54歳に元本1,800万円(生涯枠)を達成。その後は積立を止めて運用だけ続けると、65歳で年5%なら約5,978万円(年3%なら約3,622万円)になります。20代は無理せず月3万円から、昇給に合わせて増額していくイメージです。
モデル②:30代から少し多めにスタート
- 35〜44歳:月5万円(10年で600万円)
- 45〜54歳:月10万円(10年で1,200万円)
こちらも54歳に元本1,800万円を達成。65歳で年5%なら約4,664万円(年3%なら約3,158万円)です。スタートが30代でも、収入のある時期にしっかり積立額を上げれば、十分に枠を埋めきれます。
1,800万円を超えたら?「特定口座」で継続もアリ
新NISAの1,800万円を埋めきっても、まだ投資の余裕がある場合は、課税口座である「特定口座」で積立を継続できます。特定口座では運用益に約20.315%の税金がかかりますが、それでも複利でお金を増やせるため、非課税枠を使い切った人の次の選択肢として有効です。
優先順位としては、①新NISA(非課税)を満額活用 → ②それでも余裕があれば特定口座という順番が基本です。まずは1,800万円の非課税枠を最大限に使い切ることを目指しましょう。なお、iDeCoも併用すれば、さらに非課税・節税で運用できる枠を増やせます。
FIREを目指すなら:目標額から逆算しよう
FIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指すなら、シミュレーションを「目標額からの逆算」に使うのがおすすめです。4%ルールでは、年間生活費の25倍が目標資産の目安。たとえば「月20万円(年240万円)で暮らしたい」なら必要資産は6,000万円です。
上のモデルと照らすと、「20代から増額していけば65歳で約5,978万円」「足りない分は特定口座やiDeCoで補う」といった形で、自分のペースで到達できるか確認できます。商品選びはオルカンとS&P500の比較記事、FIRE全体の進め方は会社員がFIREを目指す5つのステップを参考にしてください。
まとめ:枠を意識して、年代に応じて増額する
新NISAの積立は、生涯1,800万円という上限があります。だからこそ、若いうちは少額から、収入が増えたら積立額を上げて、無理なく枠を埋めていくのが現実的なプランです。そして枠を埋め終えた後も、運用を続ければ複利でさらに資産は育ちます。
ポイントは2つ。「できるだけ早く始めて運用期間を長くすること」と「家計に合わせて積立額を調整しながら、1,800万円の非課税枠を使い切ること」です。枠を超える余裕があれば特定口座も活用できます。まずは月1万円でもいいので、今日から積立を始めてみましょう。
