株価暴落時にやってはいけないこと5選|長期投資を続けるための鉄則

株価暴落時にやってはいけないこと5選 資産運用

株式市場に暴落は必ずやってきます。リーマンショック、コロナショック——歴史を振り返れば、数年に一度は大きな下落が起きています。長期のインデックス投資で資産形成に成功するかどうかは、実は「どの商品を買うか」よりも、「暴落のときに何をしないか」で決まると言っても過言ではありません。この記事では、暴落時に絶対にやってはいけないこと5つと、代わりにやるべきことを解説します。

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の投資判断はご自身の責任でお願いします。

大前提:暴落は「来るかどうか」ではなく「いつ来るか」

まず押さえておきたいのは、暴落は長期投資に必ず織り込むべき「予定イベント」だということです。20〜30年の投資期間があれば、資産が20〜30%下落する場面には何度か遭遇しますし、50%近い大暴落も一度は経験する可能性があります。

一方で、歴史を振り返れば、世界経済はこれまで暴落のたびに回復し、株価は長期では成長を続けてきました。たとえばコロナショック(2020年)では世界の株価が1ヶ月で3割ほど急落しましたが、その後およそ半年で暴落前の水準を回復しています。もちろん過去の回復が将来を保証するわけではありませんが、「暴落は一時的、市場からの退場は永続的」——これが長期投資家の基本認識です。

やってはいけないこと①:狼狽(ろうばい)売り

暴落時の最大のタブーが、恐怖にかられて保有資産を売ってしまう「狼狽売り」です。

暴落中の資産の目減りは、あくまで「含み損」であり、まだ確定していません。しかし売った瞬間、それは取り返しのつかない「実現損」に変わります。さらに怖いのは、売った後に相場が回復しても、恐怖の記憶から買い戻せず、回復の上昇に乗り遅れることです。「底で売って、高くなってから買い戻す」という最悪の行動パターンは、暴落のたびに多くの投資家が繰り返してきました。

相場の回復は、往々にして「まだ怖い」と感じる時期に始まります。回復の初動の数日を逃すだけで、長期リターンは大きく下がることが知られています。売らなければ、暴落はただの通過点です。

やってはいけないこと②:積立をやめる

狼狽売りほど劇的ではありませんが、同じくらいもったいないのが「怖いから積立を一時停止する」ことです。

冷静に考えてみてください。毎月同じ金額で積み立てている場合、価格が下がっているときほど同じ金額でたくさんの口数が買えます。つまり暴落は、長期の積立投資家にとって「バーゲンセール」の側面があるのです。ここで積立を止めることは、安く買えるチャンスをみすみす逃すことを意味します。

実際、暴落を挟んだ期間の積立投資の成績を見ると、下落局面で買い続けた分が、回復局面で大きなリターンの源泉になります。暴落時こそ、淡々と積立を続ける——これが鉄則です。

やってはいけないこと③:一発逆転を狙う

暴落で資産が減ると、「取り返したい」という心理が働きます。ここで危険なのが、レバレッジ商品や集中投資で一発逆転を狙うことです。

  • レバレッジ型商品:値動きが2倍・3倍になる商品は、下落時の傷も2倍・3倍。さらに乱高下する相場では価格が削られやすい特性があり、長期保有には向かない
  • 個別株への集中投資:「この株なら倍になる」という賭けは、分散投資の真逆。外れたときに再起不能になりかねない
  • 底値の一括買い狙い:「もっと下がってから買おう」と待ち続けて、結局買えないまま回復してしまうのもよくある失敗

損を取り返すための無理な勝負は、たいてい傷を深くします。暴落時ほど「いつも通り」が正解です。

やってはいけないこと④:相場情報を見すぎる

暴落時は、ニュースもSNSも悲観一色になります。「今回は違う」「まだ下がる」「世界経済の終わり」——こうした情報を浴び続けると、冷静な判断力は確実に削られていきます。

毎日何度も証券口座の残高を確認するのも逆効果です。下がった数字を見るたびにストレスがかかり、狼狽売りの引き金になります。暴落時こそ、意識的に「見ない」工夫をしましょう。積立は自動化されているのですから、極端な話、見なくても資産形成は続いています。口座の確認は月1回で十分です。

やってはいけないこと⑤:生活防衛資金に手を付ける・投資に回す

「安く買えるチャンスだから」と、生活防衛資金まで投資につぎ込むのもNGです。暴落は経済全体の悪化を伴うことが多く、収入減や失業と重なる可能性があるからです。生活防衛資金は暴落時の「心の安定装置」でもあります。手元に現金があるからこそ、投資資産が下がっても冷静でいられるのです。

逆に、生活防衛資金と積立の仕組みが暴落前から整っていれば、暴落時にやるべきことは何もありません。この準備の全体像は会社員がFIREを目指す5つのステップで解説しています。

では何をすればいい?答えは「何もしない」

ここまでをまとめると、暴落時の正解は拍子抜けするほどシンプルです。「売らない・止めない・賭けない・見すぎない」——つまり、何もしないで積立を続けること。

そのために効くのが、暴落が来る前の準備です。

  • 投資は余剰資金で:生活防衛資金を別に確保し、当面使わないお金だけで投資する
  • 自動積立にする:感情が入り込む余地をなくす。積立額の目安は無理のない範囲で
  • 広く分散された商品を選ぶ:オルカンなど全世界に分散した商品は、個別株より値動きが穏やかで持ち続けやすい
  • 「暴落時ルール」を書いておく:「20%下がっても売らない。積立は続ける」と、冷静な今のうちに自分へのメモを残しておくと、いざという時の支えになる

なお、すでに資産を取り崩す段階(FIRE後など)にいる方は、「何もしない」に加えて現金クッションの活用が重要になります。詳しくはインデックス投資の出口戦略をご覧ください。

まとめ:暴落を乗り切った人だけが複利の果実を得る

暴落時にやってはいけないことは、①狼狽売り、②積立の停止、③一発逆転狙い、④相場情報の見すぎ、⑤生活防衛資金への手出し、の5つです。共通するのは、どれも「恐怖や焦りに駆られた行動」だということ。

長期投資のリターンは、暴落を何度も乗り越えて市場に居続けた人にだけもたらされます。4%ルールも複利のシミュレーションも、すべて「途中でやめない」ことが前提です。暴落が来ても大丈夫な仕組みを今のうちに整えて、次の暴落を「淡々と積み立てながら」やり過ごしましょう。

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